2025年秋、雑感

季節の移ろいとともに、会社の動きや世の中の変化にも大きなうねりを感じるこの頃です。
AIの進化、ものづくりの楽しさ、チームの成長、日本の未来
──いろいろなことを考える中で、改めて「自分たちらしさ」や「次の挑戦」について整理してみたいと思いました。
今日は、そんな近況を少しだけ。

最近、「らくらくコンテンツ」という新しいサービスを、ベータ版としてリリースしまして数店舗で使ってもらっています。
お店の店長さんが、どんなコンテンツを作ったら喜んでもらえるだろうかと考えながら、日々システムを改良していくうちに、やっぱり自分はものづくりが好きなんだなと改めて感じました。
経営者という立場では、いつまでも現場の仕事ばかりしているわけにはいきませんが、ユーザーの顔を思い浮かべながらサービスを形にしていく時間には、純粋な楽しさがあります。

最初は限られた人にしか使われていなかったサービスが、ある日を境に多くの方に利用されるようになる。
そんな瞬間が訪れると「認められたんだな」と感じます。
らくらくーぽんにもそんな瞬間がありました。
楽天市場のネーションズのリーダー店舗の方々に紹介してもらい、ECCの方々の後押しもあって広まり、RMS Service Squareでゴールド製品に認定されたあたりから、一気にユーザーが増えました。
あの時期の勢いと反響は、今でも鮮明に覚えています。

もちろん、いい話ばかりではありません。
サービスが成長してくると、他社に模倣されることも増えます。
ただ、それも影響力が出てきた証しだと受け止めています。
とはいえ、真似をされるだけでは意味がありません。
これからは自社の知的財産を守ることも大切な経営課題として考え、最近は知財の勉強も始めました。
良いサービスを生み出すだけでなく、それを正しく守る力も、次の成長には欠かせません。

経営をしていて一番面白いと感じるのは、作ったサービスが実際に使われて、価値を生んでいる瞬間です。
たくさんの方に利用されて売上が伸びるのもうれしいのですが、それ以上に「より良いサービスを作り、それを正しい形で届け、使ってくださる方の役に立ち、チームが成長していく」ということこそに喜びを感じます。
一方で、こだわりが感じられない仕事や、惰性で取り組んでいる姿を見ると少し残念な気持ちになります。
私は頑張る人が好きですが、ただがむしゃらに頑張るのではなく、正しい方向を模索しながら努力している人に惹かれます。
その姿勢こそが、良いサービスを生み、チームを強くするのだと思います。

ものづくりに直接触れることで、数字だけでは見えない現場のリアルに気づくこともあります。
特に、楽天市場などEC業界の最前線に立つ店長さんたちの声を聞くと、課題や工夫の生々しさにハッとさせられることが多いです。
ECマスターズクラブが全国で開催しているセミナーに同行する機会も多いのですが、そうした場でサービスのデモを見てもらったり、直接意見を伺ったりすると、新しいアイデアにつながることもあります。
現場の温度を感じることで、経営の数字では見えないヒントが得られる。これも私が手を動かし続ける理由の一つです。

最近はAIの進化が目覚ましく、私自身も日々の仕事で大いに活用しています。
仕様を考えるときには壁打ち相手として使ったり、UI設計に悩んだ際には概要を説明してモックを作ってもらったり。
良きアシスタントとして頼もしい存在です。
もちろん、出来上がったものをそのまま使うわけではありませんが、考えを整理する手助けには十分です。

今後は社内でも外部講師を招き、AI活用の研修(OffJT)を進めていく予定です。
ただ、AIは自分が理解している領域で使う分にはとても有効ですが、理解が浅い領域では、出てきたアウトプットをどう評価するかの判断力が問われます。
AIに頼りすぎると、人の成長を鈍化させることもある。
だからこそ、AIは「考えないための道具」ではなく、「考える力を引き出す道具」として使いたいと思っています。
AIに質問を投げることで、自分の考えを整理し、スキルを伸ばしていく。
そういう使い方を社員にも広げていきたいと思っています。

AIがどれだけ進化しても、やはり「リアルな声」や「空気感」は、まだ完全には再現できません。
お客様の声を直接聞き、その場の空気を感じ取りながら、それを製品に反映していく。
このプロセスは、人間だからこそできる仕事だと思います。
もちろん、AIの進化によって、そういった部分もいずれ補えるようになるでしょう。
それでも、人と人との間で生まれる共感や信頼は、どんなテクノロジーにも代えがたい価値があります。

グリニッジらしさという点で言えば、みんなで話しながら、お客様の声を拾い上げ、サービスを形にしていく、その姿勢にあると思います。
開発部門を自社で抱え、営業やサポートもお客様と直接向き合う。
IT企業としては当たり前のように見えることですが、この「当たり前を丁寧に続ける姿勢」が、私たちの強みだと思います。
一方で、意思決定のスピードや、ベンチャーらしい勢いが足りない部分もあります。
そうした課題を自覚しつつ、これからはよりスピード感を持って動ける組織へと進化していきたいと考えています。

会社として目指しているのは、「日本の成長に貢献できる存在」であることです。
事業をしっかり成長させ、利益を上げ、納税する。その積み重ねが日本のGDPを押し上げ、社会を豊かにする。

最近、YouTubeや書籍で、北の達人コーポレーション・木下さんの言葉に触れる機会が多いのですが、「利益を上げて納税することが社会貢献だ」というものがあり、とても共感しています。
これまでグループとして、システム提供やコミュニティ運営を通じてEC事業者を支援してきましたが、まだまだ提供できる価値は広げられると思っています。
「できていないことを、もっと広げていく」そして、
「コマースをエンパワーメントする」というECXグループの理念を、これからさらに具体的に実現していきたいと考えています。

私が一緒に働きたいのは、「日本を元気にしたい」という思いを持っている人です。
それは社員に限らず、同じ方向を向いて歩んでいけるパートナー企業や、EC支援事業者の方々も含まれます。

地方の中小企業がもっと活躍できる社会にしたい。
商売を始めたいと思った人を手助けし、挑戦を後押しできる存在でありたい。

今はいろいろな形でビジネスができる時代です。
そうした挑戦する人たちを支え、新しい価値を生み出していくことが、日本を元気にすることにつながると思っています。
一方で、せどりのように仕組みを利用するだけのビジネスにはあまり興味がありません。
やはり、自分なりの情熱や工夫をもって取り組む人を応援したいです。

日本を元気にするというのは、簡単なテーマではありません。
けれど、そんな挑戦の中から「日本初の何か」を生み出し、それがやがて世の中の標準になっていく。
そんな未来を描きながら、これからも一歩ずつ挑戦を続けていきたいと思います。

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