クリティカル・シンキング - 受講の振り返り

2023年より、弊社の『グロービス・マネジメント・スクール 法人派遣制度』を利用して、「クリティカル・シンキング」講座を受講しておりました。
先日、最終回を迎え、およそ3カ月にわたって全6回の講座をすべて終えることができました。

私自身、受講前は「クリティカル・シンキング」という言葉すら初めて聞くもので、まったく知見のない領域でした。しかし実際に受講してみると、日々の業務はもちろん、日常の物事を考える場面においても活用できる内容で、非常に得るものの多い経験となりました。

今回は、この「クリティカル・シンキング」講座を終えて、「学んだこと」「もっとこうすべきだったこと」などなど、自分なりに振り返ろうと思います。

クリティカル・シンキング 概要

あらゆるビジネスパーソンに必須の論理思考力を身につける
社会人に必要不可欠な論理思考力(ロジカルシンキング)を鍛える科目です。これらのスキルは、頭で理解することは難しくないのですが、実務で使えるレベルとして身に付けるには数々のハードルが存在します。この科目では、数多くの演習を通じてトレーニングを繰り返すことで、実務で使えるスキルとして身に付けることを目指しています。

クリティカル・シンキング 講座詳細 - グロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp/curriculum/detail/crt/

クリティカル・シンキングは、論理思考力(ロジカルシンキング)に加えて、「批判的精神(クリティカル・マインド)」といった自分の考えに対して懐疑的になる姿勢が含まれています。

学んだこと

自分の主張における「説得力」「納得感」を向上させる手法

3時間×6回という時間のなかで学んだことはとても多くあるのですが、講義内容のネタバレに気をつけつつ挙げると特に『自分の意見を説得力を持って周囲に伝え、納得・共感を得た上で、動いてもらうためのコミュニケーション力の強化』という点における学びが、自分の中で衝撃かつ最も得られるものがあったと感じています。

「説得力」という言葉はよく使われていますが、聞く相手に何を提示できれば、何を達成できれば「説得力」を増すことになるのか?という点についてまで具体的に考えたことはありませんでした。
論理的に考えたものをそのまま伝えたとしても、周囲の納得感をえられなければ意味がありません。主観的な内容では、周囲の共感・納得感を得られない可能性があります。

「クリティカル・シンキング」では、論理的思考に合わせて「自分に都合のよいロジックを組んでいないか?」「相手の反論に対してフォローできるか?」「その情報は本当に正しいか?」と自分に問い続け、自分が考えた内容を客観視しさまざまな立場から自分の考えについて疑ってみることが重要であることを学びました。

とはいえ、これについては、事前にテキストを読み込んでその通りに実践してみようと思っても、なかなか難しいです。自分が考えた内容を『客観視』するなんて、これまでしたこともないですし、客観視する方法もさっぱり分かりませんでした。
講座での「予習課題」→「演習・ディスカッション」→「勉強会・振り返り」のサイクルをしっかり回して、ようやく使うコツがつかめてきた!という段階です。
時間をかけて実践していかなければ身につかない考え方だと思いますので、受講することで、しっかり学びの時間を取り、演習・ディスカッションを通してこのスキルを磨くことができました。

もっとこうすべきだったこと

実務での活用イメージを意識する

全6回の受講のなかで、4回目までは新たに学ぶことの量についていくことがやっとで、なかなか実務においての活用イメージが具体的にはできませんでした。「理解する」ことに多く時間を割いた印象です。

思考力とは筋肉のようなもので、日々の筋トレを怠ると筋肉がつかないことと同様に、「部分使いでもいいので、日々思考プロセスを使い続けることが重要である」と講師の方が仰っていました。
テキストや講座の中で知識を得るだけでは、筋トレのフォームを知っただけにすぎず、実際の思考力を磨くためには、日々使い続けることを意識する必要があるとのことです。

5回目以降は、レポート課題という一つの山場を越えたこともあり、ようやく自分の頭で学んだ考え方を使うコツがつかめてきて、それに伴って実務での活用アイデアがイメージできるようになりました。
実際に、この実務で活用した話をクラスで共有すると、クラスメイトから「こういう考え方もあるんじゃないか」とフィードバックをもらうことができ、新たな気づきを得ることができました。

理解する」から「できる」にステップアップするためにも、早い段階で「使う」という意識をもって実践できていたら、より得るものも多く、自身の思考に対してさらに深掘りができたのではないかと思いました。

「クリティカル・シンキング」は使われて初めて意味があるものです。これから受講される方は、ぜひ『実務での活用イメージ』を意識して受講にのぞまれることをおすすめします。

おすすめ書籍

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 / 安宅和人 (著)

こちらは講師の方に紹介されて購入しました。
「クリティカル・シンキング」講座の受講前に読むことができていたら、さらに問題意識を持って取り組むことができていたと思った本です。
もちろん受講と並行して読んでも、思考プロセスについてより理解を深めることができます。活字が苦手な私でも読みやすく、「理解する」行程を効率よく前倒しにできた一冊です。

まとめ

仕事をしながら、時間をかけて課題に取り組みスクールに通って学び続けることは想像以上に大変で、振り返ってみるととても忙しい3カ月間でしたが、演習・グループワークを通して得るものが多く、自身によい意識の変化が起きていることを実感しております。

先日、半年ほど前に書いた文章(相手に見てもらう前提のもの)を自分で読み返し、「つまり何を相手に伝えたいのか?」が自分で書いたにもかかわらず、全く理解できない冗長の文章になっていたことに気づきました。
半年前とはいえ、受講後でここまで見え方・考え方が変わるのかと、自分の変化にとても驚いております。

今後も思考力を鍛え続け、実務でも日常でもより「クリティカル・シンキング」を活用できるように意識していきたいと思います!


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