10月1日にアントニオ猪木さんが亡くなりました。プロレスラーとしては、もちろんのこと、政治家や事業家として多くの功績を残されました。晩年は、亡くなる直前まで、YouTubeで発信をされていました。驚いたことは、最後の出演となった亡くなる10日前に撮影されたYouTubeでも、新しくこれからやりたいことについて語られていたことです。いつまでも前向きで、パワーのあふれる方だと改めて感じました。 そんなアントニオ猪木さんの魅力は、身体的な力だけではなく、言葉にも大きな「力」を持っています。その一つ一つは、仕事を含めて、生きていく様々な場面で、勇気をもらえるものです。そんな言葉をいくつかご紹介します。
道
この道を行けばどうなるものなのか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
アントニオ猪木
これは、1996年の引退の時に詠んだ大変有名な詩です。どんなことにしろ、新しいことを始めるときには、不安がつきものです。「失敗したらどうしよう」「どうしたらいいかわからない」「自分にできるのか」などなど、だれでも不安を抱えた経験があるはずです。
しかし、失敗することを恐れて何もしなければ、何も成し遂げることはできません。
新しいプロジェクトや施策を始めるときには、心配もつきものです。しかし実際に始めた時には、始める前には考えてもいなかったようなことを多く知ることになります。つまり、始めてみないとわからないということです。
「その一歩が道となる」という部分についても、様々な場面と重なります。プロジェクトや企画などを始めるときに、何か正解があるように思ってしまいますが、実は正解はなく、試行錯誤しながら、何かを成し遂げた時に、初めて良かった点や反省点を知ることができます。つまり、「行けばわかるさ」ということです。 ビジネスマンにとっても、背中を押してくれる詩だと私は思っています。
出る前に負けること考えるバカがいるかよ
出る前に負けること考えるバカがいるかよ
アントニオ猪木
これは、試合前にインタビューされた時に出た言葉です。インタビュアーは、「もし負けることになると・・・」と負けたらどうする?というようなことを聞いています。
ビジネスにおいては、「負けること」を考えることも大変重要です。むしろ、リスクマネージメントという意味では、「負けること」を考えることのほうが重要な時すらあるでしょう。
しかし、どんなことにもリスクは付きまとい、それにとらわれていては、何もできません。言い換えれば、戦うときは、勝つことに集中するということともとらえられます。ビジネスであれば、失敗してしまうかもと考えず、どうしたら成功するか、必死に追求しなければ、成功するものもしないということだととらえています。
ちなみに、インタビュアーは、ビンタされていました。
馬鹿になれ
馬鹿になれ
アントニオ猪木
ひとつ前と矛盾するような気もしますが、これは、また別の意味になります。
何かを始めるときに、あえて不安や心配に自分で目をつぶらないと、進んでいくことができないときはないでしょうか?何か始めるときに、然もすると、懸念事項をたくさん並べ、多弁であるほうが、頭がいいように見えるかもしれません。しかし、それを続けた結果、振り返ってみると結局何もしていないという状況は、よくあるものです。
実は、多くの批判を浴びながらも、馬鹿になって進んでいった人が、多くの成果を残していたりします。猪木さんは、「馬鹿になれ」と言っています。もともと馬鹿だと「馬鹿になる」ということはできません。馬鹿ではないからこそ、あえて、馬鹿になり前に進んでいくことが大切ということを言っているのではないでしょうか。
今回は、私の仕事や生活の糧としているアントニオ猪木さんの言葉を紹介しました。みなさんも、尊敬する人やあこがれの人の大切にしている言葉があるかと思います。一度振り返ってみると、さらに、それらの言葉が、自分にどのような場面で背中を押してくれていたかがわかり、より勇気をもらえます。ぜひ、周りの方と共有してみてください